対談

   

プルデンシャル生命「川田修」× 嶋村

プルデンシャル生命でセールスのトップになったこともあり、その経験から生まれた著書も多数書かれている川田修さんにインタビューさせていただきました。お話を伺ってみるととても気遣い上手で、感動が生まれる仕事を長年続けられたと感じられます。

インタビューの中でも話題にあがりましたが、トップを取られてから、ご自身の考え方やスタイルが変化されたことに成功のヒントがたくさん隠されています。営業という仕事問わず、人と関わるお仕事や活動をされているすべての人に共通して役立つ内容です。じっくり最後まで読んで、ご自身の人生にプラスしてください。

川田修氏
プルデンシャル生命

人の役に立ちたい、縁を作りたいと感じられるようになったのはどういうタイミングですか?

実をいうと僕は、会社でトップを取ったあとに、すごく辛かった時期があります。「入社して5年でトップになります!」と宣言して、実際に5年目でトップになりましたが、トップになることを目指していたんですよ。

その頃は「人の役に立ちたい」という気持ちではなくて、トップになることでいっぱいでした。トップになったら急に自分の目標が失われかけて、もう一回、トップを取ろうと5年後くらいに「今年、トップを取ります!」という話をしてスタートしたんですね。結果、2位でした。

そこから急にやる気を失ってしまいました。

「自分を苦しめていたのが、順位に対するこだわりだったこと」で、それに気づくのに少し時間がかかってしまいました。

苦しんでいた時期は、子どもが小学生の時です。子どもが朝起きて「学校へ行ってきます」というのを、ベッドの中で聞いていました。ずっとベッドから出れないんですよね。子どもが帰ってきても、まだベッドにいて、明日は絶対に仕事へ行こうと思っていました。

そしてアポイントがキャンセルになると、ちょっとホッとする自分がいて。だけどフルコミッションなので、生活ができなくなるから不安になります。

そういった時期が少しありました。

それから徐々に周りの人たちに会っていった時に、ある時から自分の考え方を変えようと思いました。いつからそういう順位にこだわっていたかというと、おそらく中学生くらいです。試験結果など、廊下に順位が張り出されていた時代で、常に順位付けされて上位にいることで周りから「すごいね」って言われることに自分の価値を見出していました。

長く身にしみていた順位へのこだわりを手放そうと思ったら、急に何していいかわからなくなって、途中から3つのことに当てはまることは、イエスと言うように決めたんです。

1.それは新しいか?
2.それを想像したとき、ワクワクしたか?
3.それは人の役に立つか。

この3つにイエスだったら人に頼まれた事は何でもやろうと。順位は関係ないわけなんですね。イエスだと思って色々な事をやりだしたら、仕事じゃないことでも人に駆り出されることも出てきます。自分が変わっていったら、考え方はもちろん周りも変わっていったんです。

それからですね。「お客様の役に立たなければいけない、喜んでもらわないといけない」と思えるようになったのは。

様々な方からよく「営業で何を意識しているか?」と質問されます。

僕は「お客さんを元気にすること」と答えています。

商品が売れることではなくて「川田さんに会ってよかった」と思われる営業マンでいたい。別に、売れる営業マンでいたいわけではないと。考え方が変わると自然にある程度は売れるようになります。がむしゃらに営業する若手もいるため、常にトップにいられるわけではありませんが、比べるわけでもないのでいいのです。それに、がむしゃらにやる時期もとても大切だと思っています。

ちょっと長くなってしまいましたが、そんなところです。

(インタビュアー)人間的に素敵な方だなと思いました。

全然、そんなことないですよ。それは本当に勘違いなんです。絶対にプライベートなところなんて、見せられません!(笑)

自分磨きなどでされていることやこだわっていることはありますか?

あんまり「自分磨き」は、してこなかったと思っています。とにかく自分に甘いところがあって、実はこう見えて人見知りなんです。人見知りという以外にもあります。例えば、電車にて隣のドアに同じ支社の人間が乗ってきたとして「声かけて次の駅で降りるような、ちょっと違和感のあるやりとりになったら嫌だな~」と思い、声かけられないんですよ。あんまりわからないかもしれませんが、どうですか、わかります?

(インタビュアー)はい、わかります。

そういった気持ち、わかりますよね。あとは、人と一緒にいるのがあんまり好きな方ではありません。パーティに行くのも得意じゃない。だからあんまり行かないんですけれど、よっぽど強く誘われたりすると顔は出します。あんまり自分を磨くとか、何かに挑戦するとかあんまりないんですよね。

だからすごく会社の人間に言われるんですよ「川田さん新聞何種類、読んでるんですか?」と。僕、新聞取ってないからって(笑)

本を読むのも、僕は年間1、2冊程度しか読みませんし、本を読むのがあんまり得意じゃない。

(インタビュアー)どこで情報収集されていますか?

今は、ニュースアプリなどでいくらでも情報収集することができます。調べようと思えば調べられます。また今、皆さんが感じさせられたように、あんまり喋らなくても知ってるんじゃないかと雰囲気を醸し出すことはできます(笑)

(一同爆笑)

リクルート事件の時期の入社やプルデンシャル生命への転職など、逆境をあえて乗り越えようという印象を受けました。その原動力はなんですか?


逆境に向かおうとする原動力は、その時々に欲しいものがあったからだと思っています。例えば、リクルートで働き始めた時は、大企業で働く人たちよりもリクルートの人たちの方が光って見えて、自分も輝きながら仕事がしたいと思ったからです。

プルデンシャル生命への転職も、実は一番欲しかったのはお金なんですね。今、ハッキリいえるのは、お金だけでは幸せになれないというのがわかったからです。だけどお金はすごく大事。お金は大事だけれど、お金と同等もしくはそれ以上に大事なことがあるとわかってきました。だから今は、「転職理由は、お金だった」と言えます。あとは時間もですね。そして平等に評価されたらどれくらい価値があるのかを知りたかったというのもあります。

不安の中で転職はしましたが、最初の1年目は元旦しか休まず働きました。なぜそこまで追い込んでいくかというと、弱いからなんですよね。頑張れる環境を利用させてもらわないと、できないからです。

以前本にも書きましたが、アポイントを取る電話がすごく重いんですよ。

それを自分で跳ね除けて、自分でアポの電話をかけようと思っても、何か理由をつけて、逃げたくなります。だから人に言うんですよ「俺、7時からアポ取りの電話するから、もし電話しなかったら言ってくれ」って。周囲に話しているとやらなかったことに対して言われるのが嫌だから、7時からするんですよ。全部、自分が弱いから。でも逃げたくないから環境を利用させてもらって、向かい合うのが僕のやり方です。

「運に勝る実力なし!運は見えない努力が呼び寄せる」が信条になったきっかけを聞かせてください

僕は、成功された方は同じことを思ってらっしゃると考えています。運が強いんですよ。ただ運は神様から与えられたものではないと僕は思っています。

その人は見えないところで、すごい努力をしているんですよ。ただ単に一生懸命何時間も勉強するだけではなく、自分の考え方を変えようとする、言葉に表現できないような、書き出せるようなものではない努力をたくさんしています。

物事を前向きに捉えることもそうですね。すべてにおいて何か得られるものはないかと探していることなど、実はすごい努力だと思うんです。それが結果的に神様が与えたものでも何でもなくて、その努力に見合ったものがちゃんと降り注いできている。運って見えるけれど、運じゃなくその人の努力だと思っています。

運じゃなく、努力だというのは、僕が成功している方や経営者の方々とお話をする機会をこの仕事を通じていただいて感じることです。やっぱり上手くいってる人は、思考が違うんですよね。思考が違うから上手くいったのか、上手くいったから思考が変わったのかはわかりませんが、僕の中で辿りついた答えは、努力によって思考も変えた。もともと生まれ持った思考だけでなくて、努力によって色々なことを吸収し、自分が変わろうとして、過程で思考が変わり、結果的に上手くいったと推測しています。

努力をして考え方を変えていくことは時間がかかることだと思います。川田さんのご経験の中で、どれくらいの年数で変わりましたか?

いっぱい落ち込んだり、布団から出られないなど、色々なことを乗り越えてきました。どれくらいの年数かはわかりませんが、40歳過ぎてからだと思っています。

それこそ40歳くらいのときに、剣道の人が「打って反省、打たれて感謝」と飲んでいる場でポッと言ったんですよ。

剣道には「交剣知愛」という言葉があるんです。「剣を交えて愛を知る」、「打って反省、打たれて感謝」という言葉から推測するに、自分にとって辛いことや納得できないことなど、いっぱいあるんですけれど、得られるものは必ずあると思っています。だから、さっきの話の営業成績が2位に終わったことも、実は一時的にはトップでした。最後の月に「付き合いで保険に入ってもらった件数が認められない」ということがあり、トップから陥落したんですね。その時は、会社の考え方を許せませんでした。

それは、一番売った人間がトップだと思っていたためです。だけど今は違うんですよね。世の中を変えていくため、良くするためにやるんだから、正しいことを正しく判断する必要があるなと学びました。だから「打って反省、打たれて感謝」という言葉が僕の中に入ってきました。成功している人は「打たれて感謝するのを忘れてはいけない」と考えていると思っています。

この言葉をどういった経緯で耳の中に止めるようになったかはわかりません。伝えてくれる人がいるのかもしれません。その人のタイミングによって、受け止められる言葉は変わってくると思います。僕は、色々な経験をした40歳を過ぎたくらいだと思っています。

保険というイメージは、警戒され、疑われるところから始まると思います。前提を覆すポイントなど意識していることはありますか?

まず、力まないことです。力みといっても身体のことではなくて、相手の頭の中にあることに注力する。こちらのやりたいことに注力するのではありません。

相手の脳みその中に「保険のことを聞きたい」というのはありません。しかしおそらく、脳みその裏側の端っこにちょこんと存在し、完全にゼロではないと思います。なぜなら保険のお金を月々払っていますから。今のプランが正しいかどうかもわかっていません。よくありがちなキャンペーン商品を勧めてくるような営業マンには話したくありません。

では今、何に興味あるかを考えると経営者の場合「社員にどうやって楽しんで仕事をしてもらうか」、「資金繰りのこと」、「採用の時の面接」などがイメージできます。だから、そこに僕が何かしらのお役に立てないかというスタンスです。僕が得意なのは「営業の方々にお話をして、営業の考え方を変えていく」です。「僕、勉強会できますよ」とお伝えすることもできますし、商談にならず勉強会の話をしていくこともあります。面接でどういったことを聞いていけば良いか、見抜いていったら良いかなどです。

プルデンシャル生命は、140年歴史があります。そのため基本的に全部マニュアル化されているすごい会社なんです。

面接1人に対して、2時間くらい3人で面接をします。すごくヘトヘトになるんですよ。だけど終わった瞬間に、完全に化けの皮を剥がされたなという感覚が残ります。非常にマニュアル化されているため、必ず過去を問うようにしており、人は必ず過去を繰り返します。過去どうだったかを徹底的に、違う角度で質問することで、本質を探るなど、怖いでしょ?

そういった話が役に立つこともあるんです。相手の役に立っていると「保険なんだけどさー」って言ってもらえて、話を聞いてみると大体の場合、大満足していません。

僕は保険の「ほの字」も話してなくても、名刺交換した瞬間から保険の話をしたいと相手は思っています。もし相手にお話することになったら「一番自信を持ってできる社会貢献は、生命保険の正しい考え方を伝えることです」とお話します。「入ってもらうことではありません。生命保険の正しい考え方を伝えることを仕事としています。おそらく生命保険に関しては、一番詳しいことと生命保険の真意についても理解してもらっていると思っていますので、聞かせていただく時間をください」とアポを取り直します。「そこで何も生まれなければそこで終わりです。次回、色々と聞かせていただいて、それで必要がなければ商品の話も一切しません。必要ないところに商談は存在しないと思っています」と言う風にお伝えをし、時間をいただきます。そうすると保険の話を聞けるじゃないですか。でも本人からすると保険の話を聞かれているという感じになりません。

保険は色々な事ができるので、例えば「相続のことや社員を幸せにするための福利厚生の考え方、社員の定着率はどうなんですか?と保険に関係する質問にはなりますが、どういった風に後継人に会社を引き継ごうと思っていますか?身内なんですか?」など。

事業承継も保険に関係しています。お客さまにとって事業承継は保険に関係していると思わないんですよ。「実は、事業承継でこういったことを悩んでるんだ」とポロッと出てくるので、、そうしたら「もしかしたらお手伝いできるかもしれない」と、次回のご提案になっていきます。

つまり、意識していることは順序です。

まず最初は相手にチューニングする(合わせる)。相手の興味のあることに、ちゃんと自分が役立てることを考える。そうすると相手の姿勢が変わっていくことがわかるんですよね。

本当にお客様のことを想って、お客様に伝わっているから成功されていると思います。伝わるようになったのはご経験や色々な方と接する中で培われたことですか?


そうですね。最初から持っていた訳ではありません。最初はモノ(商品)を持っていたんですよ。

よく言うんですけれど、「話し方教室」はよく聞くじゃないですか。でも「聞き方教室」はありませんよね。だけど一生懸命話をされるのと、話を聞いてくれるのは、どちらが嬉しいですか?

(インタビュアー)聞いてくれることです。

ですよね。人とのコミュニケーションは、圧倒的に聞くことの方が大事だってみんな言いいます。しかし、話し方教室はあるけれど、聴き方教室はない。矛盾しているんですよね。それは多分、話し方はテクニックで向上する。聴き方は、テクニックではなく心なんです。おそらく相手をどれだけ愛せるかなんですよ。

「みなさんの周りでこの人の話だったら親身になって聞けるという人は誰ですか?」と聞いたら「家族や親友」と返ってきます。家族や親友は、自分が愛している人なんですよね。愛情がある人に対しては聞けますが、お客さんになると愛情がないから聞けません。だからある意味で話は繋がっていて「この人の役に立ちたい」と思った瞬間に愛情は生まれます。相手も尊重されている、愛されていると感じる。だから色々と話してくれるようになります。

先程言った「ニーズの無いところに商談はない」というのは全部一緒で、相手に問題があるのかを聞く。悩んでいることを聞くことが大事で、仕事ですらそう思っているはずです。しかし、中々プライベートではできないですよね。

そのあたりも実は色々とありまして、僕は全然できません。こうやって話していると「すごい几帳面な人」と映るかもしれませんが、典型的なO型です。僕のことをよく知ってる方は、大雑把で自分の服も畳めない、何もできないと思っています。

だから、仕事の時は努力してスイッチを入れてやっています。

最後にひとことだけ、これからを担っていく若手起業家にメッセージをお願いします

若手起業家に贈りたいメッセージは「打って反省、打たれて感謝」ですね。

僕は、子どもにずっと言い続けている言葉があります。「死んじゃう以外はすべていい思い出」と。すべてが後々になった時に「あ!あのことってこのためにあったんだ」と思えるようになります。

それが一番大事です。

別の見方では「死んじゃうこと以外はすべて思い出」になるため、感謝することに変わります。そういった風に見て欲しいですね。

(一同)貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。

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